マフィーからの手紙(1)

みどりの町菰野町のみなさん初めまして。
わたしは小さな夢の国にある「芸術の森」に住んでいるマフィーという妖精です。
「芸術の森」にはたくさんの妖精たちが住んでいます。

わたしたちは毎日森の中で歌をうたったり、お絵かきをしたり、ダンスをしたり、
お料理をしたり、みんなで仲良く暮らしています。

といっても、たまには喧嘩もします。この間も、栗の木のイガイガ君とハッパ君が喧嘩をしました。
原因は、風が吹くとイガイガ君のトゲがハッパ君に当たって痛いというものでした。

ハッパ君は「おまえが早く地面に落ちないからいつまでも僕ばかり痛いじゃないか」と文句をいいます。
イガイガ君は「僕は悪くないよ。風が吹くから風がわるいんだ」と譲りません

イガイガ君は実が熟すまで落ちるわけにはいきませんし、
ハッパ君はイガイガ君より先に落葉するわけにはいきません

これを見ていた栗の妖精マロンが仲裁に入りました。
マロンは「芸術の森」の調停員の役をしています。

さて、マロンがどんな調停をしたかは、みなさんがご自分で想像してみてください。
結果は、イガイガ君とハッパ君が風に揺られて仲良くダンスをしていたとだけお伝えしておきます。
もちろん妖精たちにも好き嫌いやわがままもあります。

でも「芸術の森」では、だれもが暴力や自分勝手な行動では何も解決しないことを知っています。
それは人間たちの歴史を見て、わたしたちが学んできたからです。

ところで、小さな夢の国にはいろいろな森がたくさんあるのですよ。
名前をつけていない森もあります。

それは、いつかみなさんがわたしたちの国に遊びにいらしたときのためにとってある、
みなさんが命名する森です。その日が来るのを楽しみにしていてください。

実は、「芸術の森」はもう菰野町のどこかにあるのですよ。
ただ今はみなさんの目には見えません。

みなさんが本当に森や川などの自然を大切に愛してくださることがわかったら、
わたしは仲間の妖精をたくさん連れて、まず、みなさんの夢の中におじゃましたいと思っています。
今夜にもおじゃまするお家があるかもしれませんね。

夢の中にマフイーのことが出てきたら、あなたも妖精になって一緒に歌いましょうね。
第1回目のお手紙はこれで終わりです。
マフィーにもお手紙書いてくださいね。

次回は「芸術の森」にある「森のメッセージ美術館」についてお便りします。
それまでお元気でお過ごしください。
 
(つづく)